2026/06/28 19:29

「松竹梅でグレードを分けてはいるけど、どうせ中身はカーボンのグレード違いでしょ?」——ロードバイクのフレームって、だいたいそう思って眺めますよね。上位モデルの金型を流用して、カーボンの質を少し落として、価格を下げる。それが"普通"です。

ところがPARDUSのオールラウンドロード「ROBIN」は、その常識を真正面からぶち破ってきます。EVO・RS・SPORTという3つのグレードが、すべて別の金型。グレード名だけで上下を判断すると、本質を見誤るフレームなんです。

なぜそこまで手間をかけるのか。そして3つのグレードが、それぞれどんな乗り手のために作られているのか。店長ハライが語り尽くしたので、ブログでもまとめておきます。

なお、ROBINを含むPARDUSの全ラインナップは、下記のカタログサイトでチェックできます。読み進めながら手元で開いてもらうと、より楽しめるはずです。


▼PARDUSカタログサイト https://pardus-catalog.online/



そもそもROBINって?

ROBINは、PARDUSのオールラウンドな純ロードバイク。他社で言えばTCR、ターマック、スーパーシックスEVOといった「レースで勝つための万能ロード」に当たる総称です。軽量でヒルクライムも強く、どんなシーンでもこなせる1台です。

(エアロロードの「SPARK」はまた別ライン。そちらはいずれ別の回で。)

そしてROBINには、EVO(最上位)・RS(セカンド)・SPORT(サード)の3グレードがあります。普通なら「上から順に良いやつ」と思うところですが、PARDUSはグレードごとに金型も、設計思想も、乗ってほしい人のペルソナまで全部変えてくる。ここがROBINの一番面白いところです。



① ROBIN EVO|ROBINの真打ち

最上位グレードのEVO。スタッフのワッキーがEVOとRSを乗り込んで比較したところ、進みの良さ・反応性の硬さは圧倒的にEVO。踏んだ分だけ前に出る、嫌味のない硬さが心地よいモデルです。

カラーは3種類。

  • マットブラック:実車も店頭にあります
  • アジアンチャンピオンシップ エディション:アジア選手権ロード男子をROBIN EVOで制した選手の優勝記念モデル。フォーク先端などにアルカンシエルがあしらわれた、かなりかっこいい一本
  • VINI FANTINI(SOLUTION TECH VINI FANTINI):新城幸也選手のチームカラー。こちらは在庫限りで、おそらく今後は作られないカラーです。気になる方はお早めに

ジオメトリーの注目はXXS。 150cmくらいの方を想定した最小サイズで、とにかくスタックが低い。もともとは女子チーム(AECKMC)への供給がきっかけで生まれたサイズで、小柄なレーサーが妥協なく700Cに乗りたいなら真っ先に候補に挙がる一台です。

ただし正直にお伝えすると、XXSはフロントセンターが558mmと短め。信号待ちなどでつま先がフロントタイヤに当たりやすく、足のサイズで言うと23cmくらいまでが目安。それ以上の方はXSをおすすめします。「150cmだから」と安易にXXSへ飛びつくのは要注意、というところまで含めて選んでほしいサイズです。

この点はメーカー担当者にも伝えており、次のモデルチェンジではフォークのオフセットをサイズごとに変える予定とのこと(同様の対応はSPARK EVOで既に実現済み)。サイズ×カラー×フォークをすべて作り分ける——普通ならやらない手間を、あの工場規模だからやってのける。いかにもPARDUSらしい話です。

全体としてスタック・リーチが短めで、しっかり前傾を取りたいレーサー向き。手足が短く胴が長いという、日本人にも近い体型に合わせて作られているのもポイントです。



② ROBIN RS|衝撃吸収が優秀なコスパモデル

セカンドグレードのRS。まず目を奪われるのがシャンパンピンクです。これはカンパニョーロのサインモデルという特別仕様で、PARDUSのロゴがここだけ筆記体。

本来はカンパニョーロ・コーラス組の完成車しか存在しなかったのですが、今回171WORKS向けに、日本向けだけのフレームセットとして出してもらえることになりました。完成車よりも「フレームセットで買って手持ちの余りパーツで組みたい」という日本のニーズを担当者に説明し、形にしてもらった一本です。

EVOとの違いは金型レベル。フォーク形状、後ろ三角、シートステイの生え方まで別物で、シートポストもEVOがD型なのに対しRSは27.2mmの丸型。とはいえフレームセットには傘下ブランドMVMTの約160gという軽量シートポストが付属していて、セカンドグレードとは思えない装備です。

重量は、シャンパンピンクが小物付き実測で約940g。金属光沢の塗装を重ねている分やや重めで、他のカラーは約850gほど。850gならヒルクライム派にも十分魅力的で、組み方次第で7kg台、頑張れば6kg台も狙えます。

衝撃吸収も優秀で、荒れた下りでも跳ねにくい。乗り心地の良さは、写真だと伝わりきらないシャンパンピンクの実物の輝きとあわせて、ぜひ店頭で確かめてほしいところです。



③ ROBIN SPORT|"痛み"を消すオールロード

サードグレード——と聞くと「セカンドの型でカーボンを落としただけ」を想像しますが、SPORTはそもそも形が違う。サードなのに金型が別物、そして実体はオールロードです。

タイヤは30Cはもちろん、40Cまで対応。普通のロードとして30Cで街を流すのも、35Cのグラベルキングを履かせて荒川の草道や見沼のグラベルに突っ込むのも、1台でこなせます。これだけ太いタイヤを飲めるのに、細めのタイヤを履かせても変な走りにならないのが、ジオメトリーの作り込みの妙です。

快適性の要が2つのシステム。フレックスエアシステムフレックスピボットシステムで、手に来る振動とお尻に来る振動をダンパーのように吸収します。さらに付属の専用シートポストは27.2mmながら独自開発のカーボン製(約160g)で、ここまで快適性に振った設計を専用品で用意してくるのがPARDUSのすごいところ。これでフレームセット18万円(ハンドル別売)です。

なぜここまで快適性にこだわるのか。ロードバイクを離脱してしまう一番の理由は、結局「痛み」だから。お尻・膝・手・首・肩——その痛みが恐怖に変わって、バイクが埃を被ってしまう。SPORTは、その"痛い"を全部解決しにいったモデルです。「最初のロードバイクこそ快適なものを」という思想が、サードグレードに惜しみなく注ぎ込まれています。

ジオメトリーで見ると、スタックリーチ比(STR)はおよそ1.43〜1.45。ピュアロードでもエンデュランスでもグラベルでもない、ちょうど中間。ハンドルを上げるだけの楽さではなく、ちゃんと下げて引いて、良い姿勢で痛みを軽減する——そんな思想が読み取れます。

デザインも、フォークの星のあしらいなど落ち着いた雰囲気。30代の少し上目の紳士淑女に似合う、ギラギラしすぎない一本です。舗装路もグラベルもロングライドも1台で。大宮はもちろん、武蔵野平野や都内を遊び尽くすのにぴったりのオールロードです。



EVO・RS・SPORT、それぞれに別の世界

ROBINだけでこれだけ語れてしまうのが、PARDUSの奥の深さ。グレード名は同じ「ROBIN」でも、EVO・RS・SPORTはそれぞれ違う乗り手のために、違う金型で作られています。

「自分の楽しみたい乗り方が分かっている人」はそれを探しに、「まだ分からない人」は分からないなりに色々試しに、ぜひ店頭でROBINに触れてみてください。

実車の展示状況・試乗車のご用意・在庫カラーは時期によって変わります。最新の状況は、お気軽にお問い合わせください。


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